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2026.02.23

毎日のケアに「フロス」は必要?歯の健康を守るための習慣とは

毎日のケアに「フロス」は必要?歯の健康を守るための習慣とは

「毎日きちんと歯磨きをしているのに、なぜか検診で虫歯が見つかる…。」そんな悔しい経験はありませんか?実は、歯ブラシだけのセルフケアでは、お口の汚れであるプラーク(歯垢)を約6割しか取り除けていないという調査結果があるのです。

残された約4割のプラークは、歯ブラシの毛先が届かない歯と歯の間に潜み、虫歯や口臭、さらには歯周病の根本原因となります。この見えない敵に唯一アプローチできるのが「デンタルフロス」。フロスを併用すれば、プラーク除去率は86%まで劇的に向上します。

この記事では、あなたの歯の未来を守るフロスの重要性から、初心者でも簡単な正しい使い方までを徹底解説。毎日のわずかな習慣が、お口の健康を大きく左右する理由がここにあります。

歯磨きだけでは不十分?フロスが虫歯予防の鍵となる理由

「毎日きちんと歯磨きをしているのに、検診で虫歯が見つかってしまう」
「口の臭いが、なんとなく気になっている」

このように感じている方は、決して少なくありません。
実は、歯ブラシだけを使ったセルフケアでは、お口の中の汚れであるプラーク(歯垢)を約6割しか取り除けていないという調査結果があります。

残りの約4割のプラークは、歯ブラシの毛先が届きにくい場所に潜んでいます。
この隠れたプラークを効率的に除去し、お口の健康を守る鍵こそが「デンタルフロス」なのです。
毎日の習慣にフロスを取り入れることが、未来の歯を守るための重要な一歩となります。

歯磨きだけでは不十分?フロスが虫歯予防の鍵となる理由

フロスと歯ブラシで除去できる汚れの違い

歯ブラシとデンタルフロスは、どちらも歯を清掃するための大切な道具です。
しかし、それぞれが得意とする場所と役割は根本的に異なります。
お口の中の隅々まで清潔に保つためには、道具の特性を理解し、適切に使い分けることが不可欠です。

歯ブラシの主な役割は、歯の表面(外側・内側・噛み合わせの面)という、比較的広い範囲のプラークを取り除くことです。
一方でデンタルフロスは、歯ブラシの毛先が物理的に届かない狭い空間を専門としています。

具体的には「歯と歯が隣り合う面」や「歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケットの入り口付近)」のプラークを掻き出すための道具です。

それぞれの役割を下の表にまとめました。

道具得意な場所主な目的
歯ブラシ歯の表面(外側、内側、噛む面)歯の広い範囲に付着した食べかすやプラークの除去
デンタルフロス・歯と歯の間(歯間部)
・歯と歯ぐきの間の溝の浅い部分
歯ブラシが届かないすきまのプラークを物理的に掻き出す

ある研究では、歯ブラシのみのプラーク除去率が約60%であるのに対し、デンタルフロスを併用することで、プラーク除去率が86%まで向上すると報告されています。
歯ブラシとフロスを組み合わせることで、互いの弱点を補い合い、お口全体の清掃レベルを格段に高めることができるのです。

歯ブラシの毛先が届かない「歯間部」の虫歯リスク

大人の虫歯が発生しやすい場所はどこかご存知でしょうか。
実は、虫歯の多くは「歯と歯の間(歯間部)」から発生します。
歯間部は歯ブラシの毛先が届きにくいため、プラークが非常に残りやすい場所だからです。

磨き残されたプラークの中では、虫歯菌が糖分を分解して強力な酸を作り出します。
この酸によって歯の表面のエナメル質が少しずつ溶かされ、虫歯が始まってしまうのです。これを「脱灰(だっかい)」と呼びます。

ご自身では丁寧に磨いているつもりでも、歯と歯が接している面にはプラークが残っていることがほとんどです。
この状態が続くと、気づかないうちに歯の間で虫歯が静かに進行してしまいます。

歯間部の虫歯は、初期段階では見た目の変化がほとんどなく、痛みなどの自覚症状も出にくいのが特徴です。
そのため、しみる症状や痛みを感じて歯科医院を受診した際には、すでに虫歯が神経の近くまで達しているケースも少なくありません。

デンタルフロスは、この虫歯の好発部位である歯間部に直接アプローチできる、唯一と言ってよい清掃器具です。
フロスを歯の側面に沿わせて汚れを掻き出すことで、虫歯の最大の原因となるプラークを根本から取り除くことができます。

口臭の主な原因「バイオフィルム」を破壊するフロスの効果

多くの方が悩む口臭の主な原因は、お口の中に潜む細菌が作り出すガスです。
特に、歯と歯の間や歯周ポケットに残ったプラークは、細菌にとって格好の住処となります。

細菌はプラークの中で増殖し、食べかすなどに含まれるタンパク質を分解します。
その際に、卵が腐ったような不快な臭いを持つガス(揮発性硫黄化合物)を発生させるのです。

このプラークは、単なる汚れの塊ではありません。
「バイオフィルム」と呼ばれる、細菌が自ら作り出したネバネバした強力な膜で覆われています。
バイオフィルムは歯の表面に強固に張り付いているため、洗口液などでうがいをするだけでは簡単に洗い流すことはできません。

歯ブラシが届かない歯間部に形成されたバイオフィルムは、口臭の大きな発生源となります。
デンタルフロスは、このバイオフィルムを物理的に破壊し、剥がし取ることができる非常に有効なツールです。
フロスを通すことで、臭いの元となる細菌の集合体を直接除去できるため、口臭の根本的な予防につながります。
もし使用後のフロスから嫌な臭いがしたら、それは汚れがしっかりと取れている証拠とお考えください。

歯周病予防におけるフロスの重要性

歯周病は、歯を支えている歯ぐきや顎の骨が、細菌感染によって静かに破壊されていく病気です。
自覚症状がほとんどないまま進行するため「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれています。

歯周病の始まりは、歯と歯ぐきの境目にある「歯周ポケット」という溝にプラークが溜まることです。
プラークの中にいる歯周病菌が増殖して毒素を出し、歯ぐきに炎症を引き起こします。
これが歯周病の初期段階である「歯肉炎」です。

歯ブラシの毛先が届くのは、健康な歯周ポケットの入り口からわずか1~2mm程度です。
しかし、デンタルフロスを使えば、もう少し深い部分のプラークまで掻き出すことが可能です。

歯周ポケットの清掃を怠ると、炎症はさらに歯ぐきの奥へと進行します。
そして、歯を支える顎の骨を溶かし始め、最終的には歯がぐらぐらになり、自然に抜け落ちてしまうことさえあるのです。

フロスを使った時に歯ぐきから血が出ることがありますが、これは「その部分に炎症がありますよ」という歯ぐきからのサインです。
出血を恐れてフロスの使用をやめてしまうと、原因であるプラークが残り続け、歯周病はさらに悪化してしまいます。
痛みがない限りは、力を入れすぎないように注意しながら、優しくフロスを使い続けることが大切です。
プラークをきちんと除去できれば、歯ぐきの炎症は次第に改善し、出血もおさまってきます。
毎日のフロスは、歯周病から大切な歯を守るための、欠かすことのできない習慣なのです。

画像で学ぶデンタルフロスの正しい使い方と選び方

「フロスを毎日使った方が良いのは分かっているけれど、使い方が難しそう」
「お店にはたくさんの種類が並んでいて、どれを選べば良いのか分からない」

このように感じて、フロスの使用をためらっている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、自己流の間違った方法では十分な効果が得られないばかりか、かえって歯ぐきを傷つけてしまう可能性もあります。

ここでは、デンタルフロスの正しい使い方と、ご自身のお口に合ったフロスの選び方を丁寧に解説します。
正しいケアを毎日の習慣にして、未来のお口の健康を守りましょう。

画像で学ぶデンタルフロスの正しい使い方と選び方

【初心者向け】指に巻くタイプの基本的な使い方ステップ

指に巻いて使う「ロールタイプ」のフロスは、コストパフォーマンスに優れています。
使いこなせるようになると、お口の隅々まで丁寧にケアできるのが大きな特徴です。
初めての方は少し難しく感じるかもしれませんが、以下の手順で練習してみましょう。

  1. 1.フロスを適切な長さに切る
     フロスを約40cm(指先から肘くらいまで)の長さに引き出して切ります。少し長く感じるかもしれませんが、歯を1本清掃するたびに新しい清潔な部分を使うため、このくらいの長さが目安となります。
  2. 2両手の中指に巻き付ける
     切り取ったフロスの両端を、それぞれ両手の中指に2〜3回しっかりと巻き付けて固定します。両手の間隔が10〜15cm程度になるように調整してください。
  3. 3操作しやすいようにフロスをつまむ
     両手の親指と人差し指を使い、1〜2cmほどの長さになるようにフロスをピンと張ります。この短い部分を使って歯と歯の間を清掃します。前歯は両手の親指を、奥歯は人差し指を使うとスムーズに操作できます。
  4. 4歯と歯の間にゆっくり挿入する
     鏡を見ながら、フロスを歯と歯の間にゆっくりと挿入します。このとき、力を入れて無理に「パチン」と押し込むのは禁物です。歯ぐきを傷つける大きな原因になります。のこぎりを引くように、小さく前後に動かしながら優しく入れましょう。
  5. 5歯の側面のプラークを掻き出す
     フロスが歯と歯の間に入ったら、片方の歯の側面に「C」の字を描くように巻き付けます。歯の側面にフロスを密着させたまま、歯と歯ぐきの境目の少し中まで優しく入れ、そこから歯の先端に向かって上下に2〜3回ゆっくり動かし、プラークを掻き出します。
  6. 6隣り合うもう片方の歯も清掃する
     終わったら、今度は反対側の歯の側面も同様に清掃します。一つの歯間には、2つの歯の側面があることを意識しましょう。
  7. 7清潔な部分を使って次の歯へ移る
     フロスを歯から外し、指に巻いているフロスを少しずらして、汚れていない清潔な部分を使い、次の歯の清掃に移りましょう。

【手軽さ重視の方へ】ホルダータイプのメリットと操作のコツ

指に巻くのが難しい、奥歯まで指が届きにくいという方には、持ち手が付いた「ホルダータイプ(糸ようじ)」がおすすめです。
操作が簡単で、フロス初心者の方やお子様、手が不自由な方でも手軽にケアできるのが大きなメリットです。

ホルダータイプの種類

  • ・F字型
     持ち手がまっすぐで、主に前歯のケアに適しています。操作がシンプルで初めての方でも扱いやすい形状です。
  • ・Y字型
     持ち手の先がY字になっており、お口の横からフロスを入れられます。そのため、前歯だけでなく届きにくい奥歯の歯間にも簡単に挿入できます。

操作のコツ
ホルダータイプの使い方も、基本的な考え方は指に巻くタイプと同じです。

  1. 指に巻くタイプと同様に、のこぎりを引くようにゆっくりと歯と歯の間に挿入します。
  2. 歯の側面にフロスをしっかりと沿わせ、歯に巻き付けるようなイメージで上下に数回動かし、プラークを掻き出します。
  3. 反対側の歯の側面も同じように清掃します。
  4. 一つの歯間が終わるごとに、フロスについた汚れをティッシュなどで拭き取るか、水で洗い流しましょう。汚れたまま次の歯に使うと、汚れを他の場所に広げてしまう可能性があるためです。

手軽さが魅力のホルダータイプですが、ただ歯と歯の間を通すだけでは汚れは十分に落ちません。
必ず歯の側面に沿わせて、汚れを「掻き出す」ことを意識するのが効果を高めるコツです。

あなたの歯並びに合うフロスはどれ?形状と材質の選び方

デンタルフロスには様々な種類があります。
ご自身の歯並びや歯ぐきの状態に合わせて選ぶことで、より効果的で快適なケアが可能になります。
代表的なフロスの種類と特徴を知り、自分にぴったりのものを見つけましょう。

フロスの種類特徴こういう方におすすめです
ワックスタイプ繊維がワックスでコーティングされており、滑りが良く、歯間にスムーズに入りやすいです。・フロスを初めて使う方
・歯と歯の間が狭く、きつい方
・詰め物や被せ物が多く、フロスが引っかかりやすい方
ノンワックスタイプワックス加工がなく、多くの繊維が直接歯面に触れます。繊維が広がり、プラークを効率的に絡め取ることができます。・フロスの扱いに慣れている方
・より高い清掃効果を実感したい方
・歯の表面のザラつきなど、初期の異常に気づきたい方
エキスパンドタイプ唾液などの水分に触れると、スポンジのように柔らかく膨らみます。歯面に優しくフィットし、歯ぐきへの刺激が少ないです。・歯と歯の間のすき間が比較的広い方
・歯ぐきが下がり気味の方
・歯ぐきがデリケートで出血しやすい方
テープタイプ糸がリボンのような平たいテープ状になっています。広い歯の側面にフィットしやすいのが特徴です。・歯と歯が接触している面が広い方
・すき間は狭いが、面で接触している歯並びの方

どのフロスを選べば良いか迷った場合は、まずは滑りが良く歯間に挿入しやすい「ワックスタイプ」から始めてみるのがおすすめです。
慣れてきたら、より清掃効果の高いノンワックスタイプに挑戦してみるのも良いでしょう。
ご自身の歯の状態に合うフロスが分からない場合は、歯科医師や歯科衛生士にお気軽にご相談ください。
一人ひとりのお口の状態を拝見し、適切なケア用品をご提案します。

フロスは歯磨きの前?後?最も効果的なタイミングを解説

「フロスは歯磨きの前と後、どちらが良いのですか?」というご質問をよくいただきます。
いくつかの考え方がありますが、**「歯磨きの前」**にフロスを使うのがより効果的とされています。

歯磨き前にフロスを使うメリット

  • ・プラーク除去の効率が上がる
     歯磨きの前にフロスで歯と歯の間の大きな汚れや食べかすを先に取り除いておきましょう。そうすることで、その後の歯ブラシが歯の表面の汚れを効率的に落とせるようになります。
  • ・フッ素などの薬用成分が行き渡りやすくなる
     先に歯間のプラークを除去しておくことで、プラークの壁に邪魔されることがありません。歯磨き粉に含まれるフッ素などの虫歯予防成分が、歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間にもしっかりと行き渡り、予防効果が高まります。

フロスを使う頻度と時間帯
フロスは、1日1回、毎日の習慣として続けることが理想です。
特に、夜の就寝前の歯磨き時に行うことをおすすめします。

就寝中は唾液の分泌量が減り、お口の中で細菌が繁殖しやすくなります。
寝る前に歯間の汚れを徹底的に取り除いておくことが、虫歯や歯周病の予防に非常に効果的です。

もちろん、最も大切なのはフロスを毎日続けることです。
もし歯磨き前のタイミングが難しい場合は、ご自身の生活リズムの中で続けやすい時間帯に行い、まずは習慣化することを目指しましょう。

フロス使用時のよくある疑問とトラブル解決法

デンタルフロスを使い始めた時、多くの方がいくつかの疑問やトラブルに直面します。
「歯ぐきから血が出てしまった」「フロスが歯に引っかかって切れてしまう」などです。

こうしたトラブルは、不安に感じるかもしれませんが、実はお口が発している大切なサインです。
問題を放置せず、その原因を正しく理解して対処することが、未来の歯を守る鍵となります。
ここではフロス使用時によくある疑問やトラブルの原因と、その解決法を解説します。

フロス使用時のよくある疑問とトラブル解決法

歯ぐきから血が出るのはなぜ?出血の原因と正しい対処法

フロスを通した時に歯ぐきから血が出ると、驚いて使用をためらってしまうかもしれません。
しかし、ほとんどの場合、出血はフロスで歯ぐきを傷つけたからではありません。
その場所の歯ぐきが「歯肉炎(しにくえん)」を起こしているサインなのです。

出血の主な原因は「歯ぐきの炎症」です
歯と歯ぐきの境目にプラークが溜まると、プラーク内の細菌が毒素を出します。
この毒素に対して、体を守ろうとする防御反応が起こり、歯ぐきに炎症が生じます。
炎症を起こした歯ぐきは、血行が良くなり少し腫れた状態になります。
そのため、フロスのようなわずかな刺激でも、内出血しやすくなっているのです。

つまり、出血は「ここに細菌がいて、炎症が起きていますよ」という体からの合図です。
出血を恐れてフロスの使用をやめてしまうと、原因であるプラークが残り続けます。
その結果、歯肉炎はさらに悪化し、歯を支える骨を溶かす歯周病へと進行しかねません。

出血した場合の正しい対処法
出血があっても、痛みが強くなければフロスの使用を中断しないでください。
原因であるプラークを丁寧に取り除くことが、最も効果的な改善策となります。

  1. 1力を抜いて、優しく続ける
     いつもより力を抜いて、ゆっくりとフロスを動かしましょう。プラークがきちんと除去できれば、歯ぐきの炎症は次第に改善に向かいます。通常、1〜2週間ほどで出血は自然と収まってくることがほとんどです。
  2. 2フロスの当て方を見直す
     フロスを歯の側面に「C」の字を描くようにしっかりと沿わせてください。歯ぐきに直接突き刺すのではなく、歯の面に沿って汚れを掻き出すことを意識しましょう。
  3. 3歯科医院で専門家のチェックを受ける
     セルフケアを続けても2週間以上出血が止まらない場合はご相談ください。歯周病が進行している、あるいは歯石が付着している可能性があります。

フロスが途中で切れる・引っかかるのは虫歯のサイン?

いつも同じ場所でフロスが引っかかったり、糸がけば立ったりすることはありませんか。
これは、歯ブラシでは気づきにくいお口のトラブルを、フロスが教えてくれているサインです。
歯と歯の間の滑らかなはずの表面に、何らかの異常が起きている可能性が考えられます。

考えられる主な原因

  • ・初期の虫歯
     虫歯は歯の表面のエナメル質を溶かすことから始まります(脱灰)。溶かされた表面は健康な歯のようにツルツルではなく、ザラザラした状態になります。このザラつきにフロスの繊維が引っかかり、切れたりけば立ったりするのです。これは、痛みなどの自覚症状が出る前の、ごく初期の虫歯を発見するきっかけにもなります。
  • ・歯石の付着
     プラークが唾液中のミネラルと結びついて石灰化したものが歯石です。歯石の表面は粗く、多数の穴が開いているため、フロスが引っかかる原因となります。歯石は歯磨きでは除去できないため、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。
  • ・不適合な詰め物・被せ物
     以前に治療した詰め物や被せ物が劣化したり、歯との間に段差ができていたりすると、その部分にフロスが引っかかります。段差の部分にはプラークが溜まりやすく、二次的な虫歯(二次う蝕)の原因にもなります。

引っかかった時の対処法
もしフロスが歯の間で強く引っかかってしまったら、無理に上下に動かさないでください。
詰め物や被せ物が外れたり、歯ぐきを傷つけたりする危険性があります。
片方の指からフロスを外し、ゆっくりと頬の側から水平に引き抜きましょう。
フロスの引っかかりは、専門家による診断が必要です。放置せずにお早めにご相談ください。

歯間ブラシとの違いと目的別の使い分け

歯と歯の間のケア用品には、デンタルフロスと歯間ブラシがあります。
どちらも重要な役割を持っていますが、それぞれ得意な場所や目的が異なります。
お口の状態に合わせて適切に使い分けることで、清掃効果を最大限に高めることができます。

デンタルフロス歯間ブラシ
形状糸状小さなブラシ状
得意な場所歯と歯が接している狭いすき間歯と歯ぐきの間の広いすき間
主な目的歯と歯の間の虫歯予防歯ぐき近くの歯周病予防
推奨する方・歯のすき間が狭い方
・若い方、歯ぐきが健康な方
・歯のすき間が広い方
・歯ぐきが下がってきた方
・ブリッジ治療をしている方

フロスと歯間ブラシの使い分けのポイント
基本的には、歯と歯が接している全てのすき間にデンタルフロスを使用するのがおすすめです。
特に若い方や歯ぐきが引き締まっている方は、フロスが第一選択となります。

一方、加齢や歯周病の進行によって歯ぐきが下がり、歯の根元にすき間が見える場合は、歯間ブラシが効果的です。
ブラシ状の毛が、すき間の汚れを効率良く掻き出してくれます。

場所によってフロスと歯間ブラシを使い分けるのも、非常に効果的な方法です。
例えば、前歯はフロスを使い、すき間が広くなりやすい奥歯には歯間ブラシを使う、といった形です。
歯間ブラシはご自身のすき間に合わないサイズを使うと、歯ぐきを傷つける恐れがあります。
適切なサイズが分からない場合は、歯科医師や歯科衛生士がアドバイスしますので、お気軽にご相談ください。

子供は何歳から始めるべき?親子でできるフロス習慣のコツ

乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄く、一度虫歯になると進行が早いという特徴があります。
お子様の歯を虫歯から守るためには、小さいうちからのフロス習慣が非常に大切です。

フロスを始めるタイミングの目安
奥歯の乳歯が生えそろい、歯と歯の間にすき間がなくなってくる2歳半〜3歳頃が、フロスを開始する一つの目安です。
この時期になると、歯と歯が接する面ができ、歯ブラシだけでは汚れが落としきれなくなります。
お子様のお口の発達には個人差があるため、定期検診の際に開始時期を相談すると良いでしょう。

親子で楽しくフロスを習慣にするコツ
お子様にとって、歯磨きやフロスは楽しい体験であることが長続きの秘訣です。
無理強いせず、遊びの延長として毎日の習慣に取り入れていきましょう。

  1. 1準備するもの
     お子様には、持ち手が付いたホルダータイプのフロスが安全で使いやすいです。お子様が好きなキャラクターのデザインや、フルーツのフレーバー付きのものを選ぶと、興味を持つきっかけになります。
  2. 2安定する体勢で行う
     保護者の方が床などに座り、お子様の頭を膝の上に乗せる「寝かせ磨き」の体勢がおすすめです。お口の中がよく見え、安定した姿勢で安全にケアができます。
  3. 3楽しい雰囲気を作る声かけ
     「虫バイキンをやっつけようね」「これでピカピカになるよ」など、前向きな言葉をかけてあげましょう。上手にできたら「すごいね!」「きれいになったね!」とたくさん褒めてあげることが、お子様のモチベーションにつながります。

最初は1カ所だけでも構いません。毎日の仕上げ磨きの最後に、フロスを通す時間をプラスしてみましょう。
当院では、保護者の方への仕上げ磨きやフロスの使い方指導も丁寧に行っております。
親子で一緒に、大切なお子様の歯を守っていきましょう。

まとめ

今回は、毎日の歯のケアにおけるデンタルフロスの重要性や、正しい使い方について詳しくご紹介しました。

歯ブラシだけでは届かない「歯と歯の間」には、虫歯や歯周病、口臭の主な原因となるプラークが潜んでいます。ここに直接アプローチできるフロスを毎日の習慣に加えることが、お口全体の健康レベルを格段に高める鍵となります。

「使い方が難しい」「血が出てしまう」など、最初は戸惑うこともあるかもしれません。しかし、それはお口の状態を知る大切なサインです。ご自身の判断でやめてしまわず、まずは歯科医師や歯科衛生士にお気軽にご相談ください。あなたに合ったフロス選びや使い方を丁寧にお伝えし、未来の健康な歯を一緒に守るお手伝いをします。

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