銀歯から臭いがする|原因と口臭との関係や改善方法を詳しく解説

銀歯の周りから嫌な臭いがして、不安に感じていませんか。毎日歯を磨いているのに臭いが取れないと、虫歯の再発や口臭が気になります。保険診療で使われる銀歯の寿命は5〜7年が目安とされ、ご自身が気づかない部分でトラブルが起きている可能性があります。
この記事では、銀歯から臭いが発生する主な原因を、二次カリエスや歯周病との関連から詳しく解説します。ご自身でできる危険度チェックや応急処置、そして歯科医院で行う根本的な治療法まで、網羅的に紹介します。
読み終える頃には、臭いの正体とご自身の状況がわかり、今すぐ取るべき適切な対処法が見えてきます。不快な臭いの悩みから解放され、安心して過ごすための一歩を踏み出しましょう。
銀歯が臭うのはなぜ?考えられる4つの主な原因
銀歯から嫌な臭いがする場合、その原因は銀歯自体ではなく、銀歯と歯の境目やその内部で起きているトラブルにあることがほとんどです。
口の中にいる細菌が、溜まった汚れや虫歯になった歯を分解する際に、不快な臭いの元となるガスを発生させます。
主な原因としては、以下の4つが考えられます。
- ・銀歯の下で虫歯が再発している(二次カリエス)
- ・銀歯と歯の隙間に汚れが溜まっている
- ・銀歯の周りで歯周病が進行している
- ・銀歯そのものが古くなり、劣化・腐食している
これらの原因は一つだけの場合もあれば、複数が絡み合って強い臭いを引き起こしているケースも少なくありません。

原因1 虫歯の再発(二次カリエス)
銀歯の下で虫歯が再発する「二次カリエス」が、腐敗臭のような臭いを引き起こしている可能性があります。
一度治療を終えた歯でも、銀歯とご自身の歯との間には、目に見えないミクロの隙間ができてしまうことがあります。毎日の食事で噛む力や歯ぎしりなどが加わることで、この隙間が少しずつ広がる場合があるのです。
そこから虫歯菌が入り込むと、銀歯に隠れた内部で静かに虫歯が進行します。虫歯菌が歯の内部にある「象牙質(ぞうげしつ)」という軟らかい組織を溶かすと、タンパク質が分解され、酸っぱいような特有の腐敗臭を放つようになります。
二次カリエスは外から見えにくく、ご自身で気づくのは困難です。痛みを感じる頃には、虫歯が神経の近くまで達しているケースも少なくないため、注意が必要といえます。
原因2 銀歯と歯の隙間に溜まった汚れ
銀歯と天然の歯の境目にある段差や隙間に溜まった汚れが、臭いの直接的な原因になっているケースです。
銀歯は人工物であるため、天然の歯と寸分の狂いもなくぴったりと合わせることは難しく、境目にはどうしても微細な段差が残ります。この部分は歯ブラシの毛先が届きにくく、汚れの温床になりやすいのです。
ここに溜まった歯垢(プラーク)の中で細菌が繁殖し、食べかすのタンパク質を分解する際に「揮発性硫黄化合物(VSC)」という臭いガスを発生させます。これが口臭の正体です。
揮発性硫黄化合物には、主に以下のような種類があります。
| ガスの種類 | 臭いの特徴 |
|---|---|
| 硫化水素 | 温泉地や卵が腐ったような臭い |
| メチルメルカプタン | 生ゴミや玉ねぎが腐ったような強烈な臭い |
特に、フロスを銀歯の間に通したときに「いつもより臭い」と感じるなら、この隙間の汚れが原因である可能性が高いと考えられます。
原因3 歯周病の進行
銀歯の周りで歯周病が進行し、歯茎の炎症や膿(うみ)から強烈な臭いが発生していることも考えられます。
銀歯の縁は汚れが溜まりやすく、歯周病菌が繁殖する格好のすみかになりがちです。歯周病が進行すると、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)が深くなり、その中で嫌気性菌(けんきせい菌)と呼ばれる酸素を嫌う細菌がさらに増殖します。
これらの細菌は、先述のメチルメルカプタンのような強烈な臭いガスを産生します。
さらに症状が悪化して歯茎から膿が出るようになると、「ドブのような臭い」と表現されるほどの非常に強い悪臭を放つようになるのです。この膿は、タンパク質や細菌の死骸などが混じり合ったものであるためです。
もし、銀歯の周りの歯茎が赤く腫れていたり、歯磨きのたびに出血したりするなら、歯周病が臭いの原因かもしれません。
原因4 銀歯そのものの経年劣化と腐食
銀歯そのものや、歯と銀歯を接着しているセメントが時間とともに劣化することで、臭いが発生しやすくなります。
保険診療で一般的に使われる銀歯(金銀パラジウム合金)の寿命は、お口の環境にもよりますが、5〜7年がひとつの目安です。長年使っていると、主に以下のような変化が起きてきます。
- 1.接着セメントの劣化
銀歯を歯に固定しているセメントが、唾液によって少しずつ溶け出します。 - 2.隙間の発生と拡大
セメントが溶け出したことで銀歯と歯の間に隙間が生まれ、そこが汚れや細菌の侵入口になります。 - 3.銀歯の腐食
銀歯は常に飲食物や唾液にさらされているため、金属の表面が錆びるように腐食し、ザラザラした状態になります。
腐食して表面が荒れた銀歯には、歯垢などの汚れがさらに付きやすくなります。
このように、銀歯の経年劣化は、それ自体が臭いの原因になるだけでなく、「二次カリエス」や「歯周病」といった他のトラブルを引き起こす根本的な要因にもなるのです。
【セルフチェック】あなたの銀歯の匂い危険度診断
これから挙げる項目は、銀歯に何らかのトラブルが潜んでいるサインです。
ご自身の口内環境の危険度を知り、歯科医院を受診すべきかどうかの判断材料としてご活用ください。当てはまる項目が多いほど、銀歯の下で虫歯が再発していたり、歯周病が進行していたりする可能性が高まります。
一つでも心当たりがあれば、お口の中でトラブルが始まっているサインかもしれませんので、早めの受診をご検討ください。
□銀歯の周りの歯茎が赤く腫れている
この症状は、歯茎に炎症が起きているサインであり、歯周病の初期段階である可能性が高いと考えられます。
銀歯は人工物であるため、どれだけ精密に作っても天然の歯との間に微細な段差ができてしまいます。この段差は、細菌のすみかとなる歯垢(プラーク)が溜まりやすい、いわば「弱点」です。
ここに溜まった細菌が毒素を出すことで歯茎に炎症が起こり、赤く腫れたり、歯磨きの際に簡単に出血したりします。
この状態を放置すると、歯と歯茎の溝(歯周ポケット)が深くなり、酸素を嫌う「嫌気性菌」が爆発的に増殖します。この菌が産生する強烈なガスこそが、膿が混じったような強い口臭の正体です。歯茎の腫れは、将来的に歯を失うリスクにも直結するため、決して軽視できない症状といえます。
□フロスを通すと特定の場所から嫌な臭いがする
フロス(糸ようじ)を通したとき、特定の銀歯の周りからだけ嫌な臭いがする場合、それは歯ブラシでは届かない隙間で細菌が繁殖している証拠です。
隙間に残った食べかすのタンパク質が細菌によって分解される際、「揮発性硫黄化合物」というガスが発生します。これが「卵が腐ったような臭い」や「生ゴミのような臭い」の正体です。
特に注意したいのが、銀歯の下で虫歯が再発している「二次カリエス」の可能性です。虫歯によって歯の組織自体が溶けて腐敗するため、さらに強烈な臭いを放ちます。
また、フロスが毎回同じ場所で引っかかったり、ほつれて切れたりする場合も要注意です。それは、銀歯の縁が欠けていたり、虫歯で歯に穴が開いていたりするサインかもしれません。
□銀歯を入れてから5年以上経過している
銀歯を装着してから5年以上経っている場合、ご自身が気づかない部分で劣化が進み、トラブルのリスクが高まっていると考えられます。
保険診療で使われる銀歯を固定しているセメントは、唾液によって少しずつ溶けていきます。その結果、歯と銀歯の間に目に見えないミクロの隙間ができてしまうのです。
この隙間は細菌の格好の侵入口となり、口臭の原因になるだけでなく、内部で虫歯が再発する「二次カリエス」の大きなリスクとなります。
さらに、銀歯の金属自体も長年の使用で腐食し、表面がザラザラした状態になります。そうなると、歯垢などの汚れがさらに付着しやすくなり、悪循環に陥ります。保険の銀歯の寿命は一般的に5〜7年といわれており、症状がなくても定期的なチェックが重要です。
□冷たいものや熱いものがしみる
銀歯のある歯で、冷たいものや熱いものを口にした時に「キーン」としみるのは、虫歯が歯の内部で進行し、神経に近づいているサインかもしれません。
虫歯が歯の表面のエナメル質を突破し、内部の「象牙質(ぞうげしつ)」という組織に達すると、外部からの刺激が象牙質の中にある無数の細い管を通して、歯の神経に伝わりやすくなります。これが「しみる」という症状の正体です。
特に銀歯の下で起こる二次カリエスは、外から見えにくいため、ご自身で気づくのは困難です。「しみる」と感じたときには、すでに虫歯がかなり深くまで進行している可能性があります。
このサインを見逃すと、やがて何もしなくてもズキズキと痛むようになり、歯の神経を抜く大がかりな治療が必要になることもあります。症状が悪化する前に、早めに歯科医院へご相談ください。
まずは自分でできる!銀歯の匂いの応急処置と正しいケア
銀歯の匂いは、丁寧なセルフケアによって一時的に和らげることができます。臭いの主な原因は、銀歯と歯の隙間に溜まった歯垢(プラーク)であるため、これらを徹底的に取り除くことが応急処置の基本となります。
ただし、セルフケアで対処できるのは、あくまでお口の表面に見える汚れだけです。銀歯の下で虫歯が進行していたり、歯周病が悪化していたりする場合、その根本原因をご自身で取り除くことはできません。
ここで解説するのは、あくまで歯科医院を受診するまでの「応急処置」と、今後のトラブルを防ぐための「正しいケア方法」です。根本的な解決には、歯科医師による診断と治療が不可欠であることをご理解ください。

応急処置としての洗口液の選び方
今すぐ気になる臭いを抑えたい場合、殺菌成分を含む市販の洗口液(マウスウォッシュ)を使うのが有効です。
臭いの原因となる細菌の活動を一時的に抑え、不快なガス(揮発性硫黄化合物)の発生を抑制する効果が期待できます。
ただし、洗口液を選ぶ際には、以下の2つのポイントに注目してください。
| 注目するポイント | 選び方の詳細 |
|---|---|
| 殺菌成分 | 「塩化セチルピリジニウム(CPC)」などが代表的な殺菌成分です。口臭の原因菌に直接働きかけるため、製品の成分表示で確認してみましょう。 |
| アルコールの有無 | 爽快感の強いアルコール含有タイプは、唾液の分泌を妨げ、逆にお口を乾燥させることがあります。乾燥は細菌の増殖を助けてしまうため、日常的に使うなら「ノンアルコール」タイプがおすすめです。 |
重要なのは、洗口液だけで臭いが消えたとしても、汚れの塊や虫歯がなくなったわけではないということです。ブラッシングやフロスと組み合わせ、補助的なケアとして正しくお使いください。
隙間の汚れを落とすフロス・歯間ブラシの使い方
銀歯まわりの臭いの元凶となる汚れは、残念ながら歯ブラシだけでは決して落とせません。
銀歯と天然歯の境目にあるミクロの段差や、歯と歯が接する狭い隙間には、歯ブラシの毛先は物理的に届かないからです。ここに残った歯垢こそが、悪臭を放つ細菌のすみかになります。
毎日の歯磨きに加えて、必ずフロスや歯間ブラシを使いましょう。
- ・デンタルフロスの使い方
- 1.40cmほどの長さにフロスを切り、両手の中指に巻きつけます。
- 2.歯と歯の間に、のこぎりを引くようにゆっくりと通します。
- 3.歯の側面に「Cの字」を描くように沿わせ、歯ぐきの溝の中に1〜2mm優しく入れ、上下に数回動かして汚れをかき出します。
- 4.銀歯と接している面は特に念入りに行いましょう。
- ・歯間ブラシの使い方
- 1.歯と歯の隙間の大きさに合ったサイズのブラシを選びます。(無理に大きいサイズを使うと歯ぐきを傷つけます)
- 2.歯ぐきを傷つけないよう、歯と歯の間にまっすぐ挿入し、前後に数回動かします。
もし、フロスが毎回同じ場所で引っかかったり、ほつれて切れたりする場合は要注意です。それは、銀歯の縁が欠けていたり、中で虫歯が進行していたりするサインかもしれません。速やかに歯科医院で確認してもらう必要があります。
磨き残しを防ぐ正しいブラッシング方法
磨き残しを防ぐには、銀歯と歯ぐきの「境目」を狙って、歯ブラシの毛先を的確に当てることが最も重要です。
銀歯の縁は、歯垢が最も蓄積しやすい「弱点」であり、ここを磨き残すことが臭いだけでなく二次カリエスや歯周病を招く直接的な原因となります。
以下のポイントを意識して、日々のブラッシングを見直してみてください。
- ・歯ブラシの当て方
歯と歯ぐきの境目に対し、毛先を45度の角度で優しく当てます。こうすることで、臭いの原因菌が潜む歯周ポケット内の汚れも効率的にかき出すことができます。 - ・動かし方
鉛筆を持つように歯ブラシを軽く握り、5mm程度の幅で小刻みに振動させるように磨きましょう。力を入れてゴシゴシ磨くと歯ぐきを傷つけるだけでなく、毛先が開いてしまい、かえって汚れが落ちにくくなります。 - ・特に狙うべき場所
- 銀歯と天然歯の境目の段差
- 銀歯と隣の歯が接している面
- 一番奥の歯の、さらに奥側(頬で見えにくい部分)
通常の歯ブラシでは届きにくい銀歯の複雑な形や、奥歯の奥側を磨く際には、毛束が一つになった「タフトブラシ」を併用するのが非常に効果的です。鏡を見ながら、汚れが溜まりやすい場所をピンポイントで清掃しましょう。
歯科医院で行う根本的な治療法とは
ご自身でのケアは、あくまでお口の表面に見える汚れへの対処です。歯科医院では、レントゲン撮影や専門器具による診査を通じて、銀歯の「内部」や歯ぐきの「奥深く」で起きている問題の根本原因を特定し、取り除きます。
セルフケアで一時的に臭いが和らいでも、原因が解決されたわけではありません。
歯科医院では、臭いの原因に応じて、主に以下の3つのアプローチから最適な治療法をご提案します。
- 1.銀歯のクリーニングと研磨
- 2.二次カリエスや歯周病の治療
- 3.銀歯の交換
放置すると虫歯や歯周病が悪化し、より大がかりな治療が必要になることもあるため、早めの受診をご検討ください。
銀歯のクリーニングと研磨
銀歯の表面に付着した汚れや細菌の膜が臭いの主な原因であれば、専門的なクリーニングと研磨で改善が期待できます。
歯ブラシでは届かない銀歯と歯の境目や、表面についた無数の微細な傷には、歯垢(プラーク)や細菌が作ったぬるぬるの膜(バイオフィルム)が強固にこびりついています。
歯科医院では、歯科衛生士が専用の機器と研磨ペーストを用いて、これらの汚れを徹底的に除去する「PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」を行います。
さらに、クリーニングの仕上げとして、銀歯の表面を鏡のようにツルツルに磨き上げます。これにより、新たな汚れが付きにくい状態を作り出し、臭いの再発予防はもちろん、虫歯や歯周病のリスクを低減させることにもつながります。
二次カリエスや歯周病の治療
銀歯の下で虫歯が再発していたり(二次カリエス)、歯周病が進行していたりする場合は、それらの病気そのものを治療することが臭いの根本解決に不可欠です。
- ・二次カリエスが原因の場合
銀歯の隙間から侵入した細菌が内部で歯を溶かし、「酸っぱいような腐敗臭」を発生させます。このケースでは、まず銀歯を外し、虫歯に侵された部分を丁寧に取り除いた後、新しい詰め物や被せ物で修復します。 - ・歯周病が原因の場合
銀歯の周りに溜まった歯石が原因で歯周病が進行すると、歯ぐきから膿が出て「ドブのような強烈な臭い」を引き起こします。治療では、歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)の奥深くにこびりついた歯石やプラークを、専用の器具で徹底的に除去します。
どちらの病気も、放置すれば最終的に歯を失うことにもなりかねません。臭いは、歯が助けを求めているサインです。早期発見・早期治療が、ご自身の歯を守るための鍵となります。
銀歯の交換と新しい素材の選択
長年の使用で劣化した銀歯そのものがトラブルの元凶となっている場合、精度の高い新しい素材に交換することが、臭いの再発を防ぐための根本的な解決策となります。
保険適用の銀歯は、お口の環境にもよりますが、一般的に5〜7年ほどで寿命を迎えるといわれています。唾液によって接着剤が溶け出したり、金属そのものが変形・腐食したりすることで、歯との間に細菌が住み着くための隙間が生まれてしまうためです。
この隙間は、もはやクリーニングでは清掃できないため、銀歯を一度取り外し、新しい詰め物・被せ物に交換します。
その際、再び保険適用の銀歯を選ぶこともできますが、より汚れが付きにくく、臭いや二次カリエスのリスクを大幅に低減できる素材を選ぶことも可能です。
どの素材を選ぶかは、見た目の問題だけでなく、将来の再治療のリスクに大きく関わります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身のライフスタイルや価値観に合ったものを選択することが重要です。
銀歯を白い歯に交換する場合の選択肢と比較
銀歯から白い歯への交換は、単に見た目を美しくするだけでなく、臭いや二次カリエスの再発リスクを根本から見直すための重要な治療選択です。
素材によって「見た目の自然さ」「耐久性」「汚れや臭いの付きにくさ」、そして「費用」が大きく異なります。ご自身のライフスタイルや、何を最も重視するかを考えながら、それぞれの素材の長所と短所を比較検討することが、将来のお口の健康を守る上で大切になります。
ここでは、代表的な3つの選択肢について、その特徴を詳しく解説します。
セラミック(e-max、ジルコニア)のメリット・デメリット
セラミックは、汚れや臭いの原因を根本から解決し、天然歯のような美しさを手に入れたい場合に最も適した選択肢です。
陶材であるセラミックは、表面が食器のようにつるつるで傷が付きにくく、銀歯の臭いの元凶となる歯垢(プラーク)や細菌が定着しにくいという大きな特徴があります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・衛生面が非常に高い 汚れや細菌が付着しにくいため、二次カリエスや臭いの再発リスクを大幅に低減できます。 | ・自費診療のため高額 保険が適用されないため、費用は比較的高額になります。 |
| ・天然歯のような審美性 透明感があり、ご自身の歯の色に合わせて作れるため、どこを治療したかわからないほど自然な仕上がりです。時間が経っても変色しません。 | ・割れる可能性がある 陶材のため、強い衝撃や歯ぎしり・食いしばりなどでまれに割れたり欠けたりすることがあります。(※就寝時にマウスピースを装着することでリスクを軽減できます) |
| ・金属アレルギーの心配がない 金属を一切使わないため、金属アレルギーの方も安心して治療を受けられます。 |
特に、審美性に優れた「e-max」や、人工ダイヤモンドとも呼ばれるほど強度が高い「ジルコニア」など、部位やご希望に応じてさらに細かく素材を選ぶことも可能です。
保険適用の白い歯(CAD/CAM冠)のメリット・デメリット
CAD/CAM冠は、費用を抑えつつ、銀歯を白い見た目に変えたいという希望を叶えられる、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。
CAD/CAM(キャドキャム)冠とは、セラミックの粒子とプラスチックを混ぜ合わせた「ハイブリッドセラミック」という素材のブロックを、コンピューター制御で削り出して作る被せ物です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・保険適用で安価にできる 条件を満たせば保険が適用されるため、自費診療のセラミックに比べて費用を大幅に抑えられます。 | ・耐久性がやや劣る セラミックや金属に比べると強度が低く、強い力がかかる奥歯などでは割れたり欠けたりするリスクがあります。 |
| ・銀歯より自然な見た目 銀歯と比べれば、白く目立ちにくい見た目に改善できます。 | ・長期間の使用で変色する プラスチックが水分を吸収するため、年数の経過とともに色がくすんだり、着色したりすることがあります。 |
| ・金属アレルギーの心配がない 金属を使用していないため、金属アレルギーの心配はありません。 | ・汚れや臭いが再発しやすい 表面に微細な傷が付きやすく、そこから細菌や着色が付着して、再び臭いの原因となる可能性があります。 |
ただし、保険適用には「小臼歯(前から4番目・5番目の歯)であること」など、いくつかの条件があります。費用と機能性のバランスを考慮した選択肢といえますが、セラミックほどの審美性や衛生面は期待できない点を理解しておく必要があります。
治療にかかる費用と期間の目安
銀歯の匂いを根本から解決するための費用や期間は、主に「①保険診療か自費診療か」と「②お口の中のトラブルの深刻さ」という2つの要素で決まります。
歯科医院では、まず臭いの原因を正確に突き止め、お一人おひとりの状況に合わせた治療計画と費用・期間の目安を丁寧にご説明します。

保険適用の場合の費用相場
保険診療は、費用を抑えて必要な治療を受けられることが最大のメリットです。国が定めたルールに基づいて治療が進められます。
銀歯の匂いの原因に対する主な保険治療と、3割負担の場合の費用目安は以下のとおりです。
| 治療内容 | 費用目安(3割負担) | 治療の目的 |
|---|---|---|
| クリーニング・歯周病治療 | 約3,000円~5,000円 | ・銀歯周りの歯石や細菌の膜を取り除く ・臭いの原因を直接除去する |
| 虫歯治療(詰め物:インレー) | 約3,000円~5,000円 | ・銀歯の下で再発した虫歯を除去 ・新しい詰め物で修復する |
| 虫歯治療(被せ物:クラウン) | 約5,000円~10,000円 | ・虫歯が大きい場合に歯を全体的に覆う ・歯の機能と形を回復させる |
| CAD/CAM冠(保険の白い歯) | 約10,000円 | ・条件を満たす歯であれば、保険適用で白い被せ物に変更できる |
※上記は1歯あたりの目安です。レントゲン撮影料や再診料などが別途かかる場合があります。
自費診療の場合の費用相場
自費診療では、機能性(長持ちするか)、審美性(見た目の美しさ)、生体親和性(体への優しさ)を追求した、より質の高い治療を選択できます。
費用は全額自己負担となり、歯科医院によって設定が異なります。
| 素材の種類 | 治療内容 | 費用目安(1歯あたり) |
|---|---|---|
| セラミック | 詰め物(インレー) | 約55,000円~ |
| 被せ物(クラウン) | 約99,000円~ | |
| ジルコニア | 詰め物(インレー) | 約77,000円~ |
| 被せ物(クラウン) | 約121,000円~ |
自費診療は初期費用がかかりますが、汚れが付きにくく精密に作製できるため、臭いや二次カリエスの再発リスクを抑えられます。結果として再治療の回数が減り、長期的にご自身の歯の健康を守りやすいという利点があります。
治療内容別の通院回数と期間
治療に必要な通院回数や期間は、お口の状態や選ぶ治療法によって変わります。あくまで一般的な目安としてご参考ください。
| 治療内容 | 通院回数の目安 | 期間の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| クリーニング・歯石除去 | 1回 | 即日~1週間 | 歯石の量が多い場合は数回に分けて行うこともあります。 |
| 小さな虫歯の治療(保険の詰め物) | 2回 | 1~2週間 | 1回目:虫歯除去と型取り 2回目:詰め物の装着 |
| 被せ物の交換(虫歯が軽度) | 2~3回 | 2~3週間 | 型取りから装着まで。自費診療の場合も同様です。 |
| 歯の根の治療(根管治療) | 3~6回以上 | 1~数カ月 | 虫歯が神経まで達した場合の治療で、根気よく通院いただく必要があります。 |
| 歯周病の治療 | 3~6回以上 | 1~数カ月 | 歯周ポケットの深さや炎症の程度により回数が変わります。 |
初回の診察では、まずレントゲン撮影など必要な検査を行い、お口の状態を正確に把握します。その上で、臭いの原因として何が考えられるか、そしてどのような治療の選択肢があるのかを、それぞれのメリット・デメリット、費用、期間とあわせて丁寧にご説明します。
ご自身の歯を将来にわたって守るための大切な治療です。ご不安な点やご希望は、どうぞ遠慮なくお聞かせください。
まとめ
銀歯からする嫌な臭いは、銀歯そのものではなく、内部で虫歯や歯周病が起きているサインです。
丁寧なセルフケアで一時的に臭いを和らげることはできても、銀歯の下で起きている問題の根本解決は困難です。放置すると二次カリエスや歯周病が悪化し、やがて歯を失うリスクにつながる可能性があります。
フロスが臭う、歯茎が腫れているなど、少しでも気になる症状があれば、それはお口からのSOSかもしれません。自己判断せず、早めに歯科医院へ相談することをおすすめします。


