金属床
金属床入れ歯について

金属床入れ歯とは
金属床入れ歯は、自費診療で作成される入れ歯の一種で、義歯の土台部分(床)が金属でできているものを指します。保険診療で一般的なレジン(プラスチック)床入れ歯と比べて、様々な特徴や利点があります。
金属床入れ歯の特徴
薄くて軽量
- 金属はプラスチックよりも強度が高いため、薄く設計できます。そのため、入れ歯の厚みを減らし、軽量化が可能です。
- 装着時の違和感が少なく、発音や食事がスムーズになります。

耐久性が高い
- 金属は非常に丈夫で、長期間使用しても変形しにくく、破損のリスクが低いです。

熱伝導性が良い
- 金属は熱を伝える性質があるため、食べ物や飲み物の温度を感じやすいです。
- これにより、食事がより自然で快適になります。

適応性の高さ
- 金属床は患者さんの口腔形状に合わせて非常に精密に作られるため、密着性が高く、外れにくいです。

金属床入れ歯のメリット
装着感が良い
軽くて薄いため、装着時の違和感が少なく、快適な使用感があります。
自然な食事が可能
熱伝導性が良いため、温度を感じながら食事を楽しむことができます。
審美性が高い
金属床は歯茎の部分が薄く設計できるため、自然な見た目が得られます。
長期間の使用が可能
耐久性が高く、破損や劣化が少ないため、メンテナンスをしながら長く使い続けられます。
金属床入れ歯のデメリット
高額
- 自費診療のため、保険診療のプラスチック床入れ歯と比べて費用が高くなります。
- 使用する金属の種類によって価格が異なります。
製作に時間がかかる
精密に作られるため、完成までに数週間から1カ月以上かかる場合があります。
金属アレルギーのリスク
使用する金属の種類によっては、金属アレルギーのある方には適さない場合があります。
金属床の材質の種類
金属床入れ歯には、以下のような材質が使用されます。それぞれ特徴や費用が異なります。
コバルトクロム合金
- 特徴: 軽量で丈夫、加工しやすく比較的リーズナブル。
- メリット: 最も広く使用されており、多くの方に適応。
- 費用: 他の金属に比べてやや安価。
チタン
- 特徴: 非常に軽くて丈夫、金属アレルギーが出にくい。
- メリット: 生体親和性が高く、
アレルギーのリスクが低い。 - 費用: コバルトクロムより高額。
金合金(ゴールド)
- 特徴: 柔らかく加工しやすい、生体親和性が高い。
- メリット: アレルギーの心配がほぼなく、耐久性も高い。
- 費用: 非常に高額。
パラジウム合金
- 特徴: 比較的安価で、耐久性がある。
- メリット: コストパフォーマンスが良い。
- デメリット: 金属アレルギーを引き起こす可能性がある。
金属床入れ歯の費用
費用は使用する金属の種類や製作する範囲によって異なりますが、10万円~50万円程度が一般的です。
チタンや金合金を使用する場合は、さらに高額になることがあります。
金属床入れ歯の製作の流れ
カウンセリング
患者さんの口腔内の状態を確認し、金属床が適しているかどうか判断します。

型取り
精密な型を取って、入れ歯を作製するためのデータを収集します。

試適
仮の入れ歯を製作し、装着感や噛み合わせを確認します。

金属床の加工
選んだ金属を使用して床を製作します。

最終調整
完成した入れ歯を装着し、必要に応じて調整を行います。

金属床入れ歯はこんな方におすすめ
- 装着感を重視する方
- 食事や会話をより快適に楽しみたい方
- 長期間使用できる耐久性の高い入れ歯を希望する方
- 見た目の自然さを重視する方
金属床入れ歯は、快適性・耐久性・審美性を求める患者さんに適した選択肢です。ただし、費用が高額になるため、慎重に検討する必要があります。歯科医師と十分に相談し、自分に合った材質を選びましょう。