レジン床
レジン床について

保険診療の場合のレジン床入れ歯
レジン床入れ歯は、保険診療で製作できる入れ歯の標準的な形式で、床(入れ歯の土台部分)がレジン(歯科用プラスチック)で作られています。以下に、レジン床入れ歯の特徴やメリット・デメリット、適したケースなどを解説します。
レジン床入れ歯の特徴
保険適用が可能
保険診療内で製作できるため、費用が比較的安価です。

厚みがある
レジンは強度が金属に比べて低いため、耐久性を補うために厚く作られます。

修理がしやすい
破損や調整が必要な場合でも、比較的簡単に修理が可能です。

審美性がある程度保てる
レジン素材は歯肉部分に似た色を再現できるため、見た目も自然に見えます。

レジン床のメリット
- 低コスト
- 保険診療で作れるため、他の材質に比べて大幅に費用を抑えられます。
- 短期間で製作可能
- 簡便な製作プロセスで、比較的早く入れ歯が完成します。
- 修理が容易
- レジンは加工しやすいため、破損時や適合の調整が必要な場合でも修理しやすいです。
- 取り扱いがシンプル
- 材料が馴染みやすいため、多くの歯科医院で対応可能です。
レジン床のデメリット
- 厚みがあるため違和感が大きい
- レジンは強度が低いため、破損を防ぐために入れ歯の床を厚めに設計する必要があります。
- 厚みが原因で、装着時に違和感を覚えることがあります。
- 耐久性が低い
- 長期間使用すると、摩耗やひび割れが起きやすく、寿命が短い傾向にあります。
- 熱伝導性が悪い
- 食事や飲み物の温度を感じにくくなるため、自然な食事感が損なわれる場合があります。
- 重い
- 厚みがあることで、金属床入れ歯と比較して重く感じることがあります。
レジン床に適したケース
- 費用を抑えたい方
- 緊急的に入れ歯が必要な場合
- 長期的に使用する予定ではなく、
一定期間の使用を想定している場合
レジン床の費用
保険診療適用の場合、自己負担額は1割~3割負担となり、数千円~1万円台で製作可能です(初診料や調整費用を除く)。
レジン床の製作の流れ
カウンセリングと診断
入れ歯が必要な箇所や口腔内の状態を確認し、保険診療範囲での製作を提案します。

型取り
口腔内の型を取って、適合する入れ歯を作るためのデータを取得します。

試適と調整
仮の入れ歯を試着し、噛み合わせやフィット感を確認します。

完成と装着
完成した入れ歯を装着し、必要に応じて微調整を行います。

アフターフォロー
使用中の不具合や不快感を解消するため、定期的な調整を行います。

まとめ
レジン床入れ歯は保険診療内で製作できる最も手軽な選択肢で、費用を抑えながら基本的な入れ歯の機能を得られます。一方で、厚みや耐久性の低さがデメリットとなるため、長期的に快適な使用を求める場合は、自費診療での金属床入れ歯も検討すると良いでしょう。
自費診療の場合について

自費診療の場合、入れ歯に使用される材質には幅広い選択肢があり、耐久性、見た目、快適さ、機能性など、患者さんのニーズに応じた入れ歯を提供できます。自費診療の入れ歯は、保険診療よりも高品質な素材を使用するため、価格は高くなりますが、その分、より優れた特性を持っています。以下は、自費診療で使用される主な入れ歯の材質です。
1. 金属床(フレーム)
- 特徴: 金属床は、部分入れ歯や総入れ歯のフレームに使用される金属製の床です。使用される金属には、チタン、コバルトクロム合金、金合金、プラチナ合金などがあります。
- 利点:
- 強度が高い: 金属は耐久性に優れ、割れたり変形したりするリスクが低い。
- 薄く作れる: 金属床は薄く作れるため、フィット感が良く、違和感を感じにくい。
- 審美性が向上: 金属を使用した部分入れ歯は、レジン床よりも薄く、口の中での違和感が少なく、しっかりとした構造を提供します。
- 欠点:
- 見た目に金属が使用されるため、見えやすい部分には適していません(ただし、裏側に使用することが多いため、正面からは見えないことが一般的です)。
- 価格が高いため、
自費診療となります。
2. ノンクラスプデンチャー
(非金属床入れ歯)
- 特徴: ノンクラスプデンチャーは、金属のクラスプ(引っ掛ける部分)を使用せず、弾性のある樹脂を使用した入れ歯です。通常、フレームはコバルトクロム合金などの金属ではなく、柔軟なプラスチックやシリコンが使われます。
- 利点:
- 美しい見た目: 金属クラスプが見えないため、審美的に優れています。
- 快適性: 金属を使わないため、口の中での違和感が少ない。
- 軽量で柔軟: 軽くて柔軟性があり、装着感が良い。
- 欠点:
- 耐久性が劣る: 金属よりも強度が低いため、長期間使用する際には摩耗しやすい。
- コストが高い: 自費診療になるため、価格が高くなります。
まとめ
自費診療で使用される入れ歯の材質は、患者さんのライフスタイルや希望に応じて選択することができます。自費診療の入れ歯は、価格は高めですが、耐久性や見た目、快適性において優れた特性を持っています。