精密歯周病検査
精密歯周病検査について

歯周病の進行度を正確に把握し、適切な治療計画を立てるために行う重要な検査です。この検査は、通常の口腔内検査に加えて、より詳細な情報を得るための追加的な手順を含みます。精密歯周病検査によって、歯周病の初期段階や進行具合、さらには治療の必要性を正確に判断できます。
精密歯周病検査の主な内容
歯周ポケットの測定
- 歯周病が進行すると、歯と歯茎の間に「歯周ポケット」が深くなります。これを測定することで、歯周病の進行度を確認します。
- 測定は、歯科医師や歯科衛生士が専用の探針(歯周ポケット探針)を使って、歯周ポケットの深さをミリ単位で測ります。一般的に、ポケットの深さが4mm以上だと歯周病の兆候が見られ、6mm以上だと重度の歯周病の可能性があります。
歯茎の状態の確認
歯茎の色や形状、腫れ、出血の有無をチェックします。健康な歯茎はピンク色で、引き締まっていますが、歯周病が進行すると赤く腫れたり、出血を伴ったりすることがあります。
レントゲン撮影
歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が減少します。レントゲン写真を使って、歯槽骨の状態を確認します。これにより、骨の吸収具合を把握し、歯周病の進行具合を評価できます。
プラークや歯石のチェック
歯周病の主な原因である歯垢(プラーク)や歯石の付着具合を確認します。これらが歯周病の進行を引き起こす原因となるため、除去が必要です。
歯の動揺(ぐらつき)の確認
歯周病が進行すると、歯を支えている骨が失われ、歯がぐらつくことがあります。歯科医師が歯を動かして、歯の動揺(ぐらつき)具合を確認します。
歯周病に関連する細菌の検査
(オプション)
一部の歯科医院では、歯周病に関連する細菌を調べる検査(細菌検査)を行うことがあります。これにより、特定の細菌が歯周病の原因となっているかどうかを調べ、適切な治療方法を選択する手がかりになります。
歯周疾患のリスク因子の評価
喫煙、糖尿病、遺伝的要因、ストレスなど、歯周病を悪化させるリスク因子がないか評価します。これらのリスク因子に対応する治療や生活習慣の改善が求められることがあります。
精密歯周病検査の目的
歯周病の進行具合の把握
歯周病の進行具合を正確に評価することで、どの治療が必要かを判断します。これにより、無駄な治療を避け、患者さんにとって最適な治療法を選ぶことができます。
早期発見と予防
歯周病は初期段階では症状が軽いため、早期発見が重要です。精密検査により、初期の段階で問題を発見し、早期に治療を開始することができます。
治療の効果確認
治療後に再評価を行い、治療が効果的であったかを確認します。再評価によって、治療の進捗を確認し、必要な場合は追加の治療を行うことができます。
患者さん個別の治療計画の立案
検査結果に基づき、患者さん一人ひとりに合った治療計画を立てます。歯周病は進行具合や原因が個々に異なるため、個別の治療が必要です。
精密歯周病検査の流れ
カウンセリングと問診
患者さんの口腔内の健康状態や生活習慣(喫煙、食事、歯磨き習慣など)についてヒアリングします。

口腔内の視診
歯茎の色や形状、歯の状態を確認し、歯周病の兆候を見つけます。

歯周ポケットの測定
専用の探針を使って、歯周ポケットの深さを測定します。

レントゲン撮影
歯槽骨の状態を評価するためにレントゲンを撮影します。

検査結果の確認
検査結果をもとに、歯周病の進行具合や必要な治療を確認し、治療方針を決定します。

治療計画の提示
検査結果に基づき、個別の治療計画を患者さんに説明します。必要に応じて、追加の検査や治療方法についても話し合います。

まとめ
精密歯周病検査は、歯周病の進行度を正確に把握し、適切な治療を行うために非常に重要です。この検査により、歯周病が早期に発見され、個別の治療計画を立てることができます。早期に対応することで、歯周病による歯の喪失を防ぐことが可能となり、口腔の健康を維持できます。